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ピエール・エルメのクリスマス2009/角野恵子@パリ

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9月24日、ピエール・エルメのクリスマスコレクション発表会へ行きました。
会場はcité de l'architecture et du patrimoine(建築・遺産博物館)の屋上。 雑誌エル・デコとの協賛で、時代の風を反映させたノエルのテーブルが演出されています。

ここにディスプレイされているエルメのアントルメやガレット・デ・ロワを、白いテーブルコーナーで試食。
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もちろんロゼシャンパンと一緒!
気になるケーキだけ注文すればよいのですが、全部気になりますよね。だから全種類を少しずつ……
(「少し」が十分に一人前の分量なのも、フランス流)

まずは、キャラメルしたてのビュッシュ・ド・ノエルから。
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フイユテ、プラリネのクリーム、キャラメル……と層になった、何工程もある手の込んだ仕事をご覧ください。
キャラメルは味わい深く、でもくどくはなく、全体的には軽さもあって、その加減が絶妙です。

続いてチョコレートのビュッシュ。デザートといえばチョコレート!の国ですよね、フランスは。
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カシスが入っています。濃厚で上質なチョコレートムースを、カシスの酸味が心地よく中和。
このビュッシュも、さきほどのキャラメルビュッシュ同様に、筒状のドーム型に仕上げてあります。

ビュッシュの原型は、薪に見立てたロールケーキなのですが、ここ数年ロールケーキではなく
スポンジとムースを重ねて、かまぼこ型に仕上げたタイプが主流になっています。
(これはそのへんの街のパン屋でも同じ)
ムースで軽く、が時代のニーズであるのと同時に、ロール型に仕上げるのは地味なわりに技術のいる作業なので
楽な方法に切り替えるパティシエが多いのかな?と想像しています。

さて、個人的に一番気になるフイユテは……
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私好みの「味わい深い」フイユテ!かめばかむほど味わいが広がり、たんにサクっと軽いだけではありません。
でも、もちろんちゃんとサックサク。パーフェクトです。
キャラメル仕立てのクリームと好相性でした。このクリームも、いいんですよ、また。
フイユテとクリームの分量のバランスも、非の打ちどころがありません。
一番下の層のプラリネは、味のアクセントと独特のシャリシャリ感を添えていました。

「……なんだ?」と思っていた、中央の黒いマカロン。なんと!
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トリュフマカロンとリオレです!
実物はドーム状のアントルメで、表面が黒いマカロンで覆われていました。
黒マカロンの下に隠れた実体が、リオレ(お米を牛乳とバニラ、砂糖で煮たおやつ)なのです。

このデザート、見た目の印象を裏切って感動でした。
リオレは、「パリで『うちごはん』」でも紹介していますが、庶民のおやつ・デザートの代表格で、
シックとは無縁の存在です。
それをトリュフ風味(本当にあのきのこの香り!)のマカロンといっしょにいただくと、他の軽くて上品なデザートにはない面白みを発揮する。

日本人の私にとってはなつかしのお米、そして多分、これを食べるフランス人にとっては、なつかしのおばあちゃんの味……
と想像すると、このデザートを作ってしまったエルメさんは、やっぱりすごいわ、と思わずにいられませんでした。
クリスマスは、日本のお正月のように、家族が集まるあたたかい行事です。
食べた瞬間和んでしまうデザートは、きっとみんなを幸せな気持ちにしてくれることでしょう。

で、最後はガレット・デ・ロワです。
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以前エフィルのブログにも書きましたが、このケーキの重要なポイントはフェーブ!
といったらパティシエの皆さんに申し訳ないのだけど、でも本当に重要です。
この日の時点では、フェーブについてはノーコメントでした。どんなフェーブになるのでしょうね。
ガレットそのものは、オーソドックスでクラシックで、まったく期待を裏切らない出来上がりでした。
オレンジウオーターがきついと「違う!」と思うし、アーモンドパウダーの餡がほっこりしていないと、また
「違う!」と思うし、このお菓子は「こうあって欲しい!」という個人個人の思い入れが大きいような気がします。
エルメのガレットは、文句なしに満足させてくれました。

正直、今まではそんなにピエール・エルメ製品のファンではなかったのですが(彼本人は好きです)、やっぱりすごいパティシエなんだなと実感です。
このレベルを量産できる、というのもまた、すごい。

ところで、会場からの眺めも素敵だったのですよ。
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パリを一望。
「借景」って、ものすごい贅沢だと思います。

最初の写真でお見せしたエル・デコのプレゼンにも、実は素敵な借景なのです。
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「パリで『うちごはん』」にも登場するアスティエ・ドゥ・ヴィラットの伝統的なスタイルの食器に目がいきまよね。
でもよーくみると、この部屋そのものの装飾が、ゴージャスな館の内装をプリントした壁紙であることに気づきます。
暖炉や円柱がモノクロ印刷され、壁紙になっています。
これは実にシックで、モダンと伝統をセンス良く融合させるエル・デコ読者に支持されるだろうなー、と
ひとり感心していました。
私のようなものでも、取り入れたいと思ってしまったほど気に入ってしまったこのヒミツ壁紙、大流行したドメスティックの進化版、ですよね。

そんなわけで、大きな借景を取り入れる前にまずはパソコンの壁紙から、と先日も見事なシャンデリアを撮影したのでした。

さて、かとうに散々心配をかけた田舎でのバカンス(?)も終わり、パリ郊外の自宅にもどっています。
日本のお盆同様に親戚が集まるトゥーサンのバカンス。
山は見事な紅葉でした。
黄色い落ち葉が空を舞い、まるで詩の中を歩く気分でしたー……


PS
9月の情報をなぜ今頃アップするかというと、エルメの広報責任者の希望で
11月まで待つことにしたからです。
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by societebonne | 2009-11-03 00:14 | パリの最新情報
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