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夏の移動遊園地/角野恵子@パリ

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昨日、6月25日のチュイルリー公園
夏恒例の移動遊園地が建ち始めていました。

村上春樹さんの小説(「スプートニックの恋人」)や、村上龍さんの小説(こちらはタイトルを思い出せないけれど、
ル・マン24時間耐久レースを見ながらスタンドでビールを大量に飲み観覧車に乗って吐く、という話だった)に
ヨーロッパの夏の風物詩ともいえる、移動遊園地が登場します。
移動遊園地を見かけると思い出すのは、これらの小説と、
私がパリに引っ越した夏に乗った、チュイルリー公園のこの観覧車。

日本の観覧車と違い、結構なスピードでぐるぐる回る「かご」のようなゴンドラにひょいと飛び乗り、
景気良く3,4周する威勢のいい乗り物です。
なぜ「かご」のようかというと、入り口部分が全開で、扉や鎖で閉じないから。確かそうだったと思う。
無防備なまでにすかすかになった足元に広がる景色を見て、とてもスリルがあったのを覚えています。
のどかな乗り物の代名詞「観覧車」で、スリルを味わうとは意外でした。
ゴンドラがあがるたびに見えるセール川沿いの風景に、
はっと目を引かれたのもよく覚えています。

コンコルド広場に巨大観覧車(こちらのゴンドラはカプセル状)があった頃、
ちょうどパリを旅していた両親とこれに乗り、父が言った言葉。
「パリは屋根のない美術館のようなもんだ」
観覧車から眺める街は、レイアウトから色使いから、何もかもがうそのように美しかった。

長くなりましたが、ヨーロッパを旅していて移動遊園地に出くわしたら、
現地の人々にまじってぶらぶら歩くと楽しいかもしれません。
そこにいるだけで祭りの活気が伝わってきます。
屋台の食べ物を見るのも楽しい。

観覧車からの街の眺めは、歩いて見るのとも、高い塔から見るのともまた違った、
特別な表情だ、と感じます。
by societebonne | 2009-06-26 16:07 | パリの最新情報
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