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シャンパーニュ メゾン見学の旅③/加藤@東京

かなり間が空きましたが、久しぶりにシャンパーニュのお話。
8月の終わりと同時に、怒涛の仕事月間も終わりを告げました。
9月は逆に、かなりヒマそうなので、それも怖いのですけど……。
仕事は、均等にバランスよく、なんて、都合よくは来ないものですよね。

・・・・・・・・・
シャンパーニュ メゾン見学の旅③/加藤@東京 _e0174436_18241041.jpg

さて、シャンパーニュで、訪ねたメゾンは5軒と、で書きました。

そのなかで今日、ご紹介するのは一番最後に訪ねたTarlant タルランです。

せっかく現地まで行くのだから、大きなメゾンだけでなく、
レコルタン・マニュピュラン(RM小規模生産者)には、ぜひ行きたいと思っていました。

ちなみに、レコルタン・マニュピュランとは、
自分たちで栽培したぶどう100%で
シャンパーニュ製造までしている製造者のこと。

それに対して、ネゴシアン・マニュピュラン(NM)は、
契約農家などからもぶどうを購入している製造者のこと。
(自社畑を持ってはいても、100%のぶどうは作っていないという意味)

シャンパーニュ メゾン見学の旅③/加藤@東京 _e0174436_53836.jpg
私たちが名前を知っているような大手は、ほとんどネゴシアン・マニュピュランで、
高品質で均一なレベルのものを安定供給するために、その方法をとっています。

一方、レコルタン・マニュピュランは、自社の畑で作るぶどうだけで作るので、
量は少ないし、作り手の個性も、畑の個性も、そのまま出てくるのがおもしろいところ。
当然、あたり、はずれもあります。

小規模なので、大手とは違って、
見学を受け付けてくれるところは、多くはない気がします。
今回も、いくつか断られました。
というわけで、本当のRMで、唯一訪ねたのがここなのです。

シャンパーニュ メゾン見学の旅③/加藤@東京 _e0174436_1830508.jpg

案内してくれたのは、この ↑ マダム。
フランス人は、よくしゃべると常々思っていますが、
まあ、このマダムの弾丸トーク(笑)は、そのなかでも群を抜いていました。

でも、怪しげなフランス語を話す私たちの質問を、一生懸命理解してくれようとし、
そして、とにかく情熱を持って、いろいろ説明してくれました。
とても、すてきなマダム。

彼女の言葉で、いちばん印象に残っているのは、
”泡は重要ではない”というもの。
(フランス語でどう言われたのかは、もう覚えていませんが)

シャンパーニュ メゾン見学の旅③/加藤@東京 _e0174436_18515323.jpg
確かに、いろいろ飲み比べていくうちに、
泡は、もちろん、シャンパーニュに必要なものではあるのだけど、
おいしさは、もっとその奥にあると感じるようになりました。
偉そうに語ってますねえ、私……(笑)。
マダムの請け売りということで、お許しを。

マダムいわくは、
ぶどうの味、土地(テロワー)の味を、引き出してこそ、
おいしいシャンパーニュができるとのこと。

シャンパーニュとはいえ、ワインの一種。
結局、そこがいちばん、おいしさのカギになるんだと思います。

シャンパーニュ メゾン見学の旅③/加藤@東京 _e0174436_199122.jpgシャンパーニュ メゾン見学の旅③/加藤@東京 _e0174436_1910343.jpgTarlantは、レコルタン・マニュピュランにもかかわらず、
シャンパーニュの材料となるぶどうを3種とも作っているという恵まれたメゾン。
(畑の場所によって向いているぶどうがあるので、3種作りたいと思っても簡単には作れないらしい)
左がピノ・ノワールで、 
右がピノ・ムニエ。







そのうえ、土壌もチョーク質、石灰質,砂質など、5種類あるというのも、
いろいろなところからぶどうを購入せずとも、複雑な味を生み出せる理由なのだとか。

このメゾン、家族経営で、決して大きくはないメゾンなのですが、
実は300年も続く老舗で、すでに12代目とか13代目にあたります。
家族経営で、家族総出でシャンパーニュを作っている、そんなRMの理想。
それが、300年も続いているって、すごい。

試飲させていただいたどのシャンパーニュも、奥行きのある味で、
泡でいろいろごまかすことなく作られているので、ワインとして楽しめます。

見学は一人7ユーロで、私たちは6~7種ほど、飲むことができました。
お金を払うので、無理に買う必要がなく、
フランス在住者ではない旅行者には、ありがたいです。
とはいえ、買いましたが(笑)。

日本語で、いろいろ詳しく読みたい方は こちら 。ここは通販もあるようです。


写真の一部は、いっしょに旅したinoさんのものを使わせていただいてます。ありがとうございました!
by societebonne | 2009-09-03 17:39 | フランスの地方へ
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